こんにちは。となりのコンサルティングの中村です。
先日、2024年の7月にオープンした、羽咋市のにぎわい交流拠点『LAKUNA はくい』に行ってきましたので、簡単に紹介します。
元々は『観光客を集める商業施設になる予定』と聞いていたのですが、どうやら市民向けの交流拠点として運用していくようです。
元旦の能登地震の爪痕が未だ残る
元「マルシェ」というスーパー跡地を活かすため、羽咋市が長年準備を進め、着工・オープンに至った『LAKUNA(ラクナ)はくい』。
本来であれば大々的にオープンイベントを実施し、広告なども出したかったのでしょうが、そのような活動はほとんど見られませんでした。
恐らく、元旦の能登地震による市内の被害が大きく、あまり予算を掛けられなかったのではないかと思います。これまで進めてきた関係者の方々は断腸の思いでおられることでしょう。
郵便局前から駐車場に降りていけるのですが、駐車場に沿って流れる長者川の土手が、大きくひび割れたまま放置されていました。
市としては『オープンしたばかりの施設が壊れている』という状況を放置したくはないはずですが、『今は市の活動より市民の支援を優先すべき』という判断なのでしょう。
どちらを優先すべきか?という問いに正解はありませんが、市の活動を優先した場合は”不正解”になりそうですので、結果として後回しになるのは仕方ないのでしょう。
児童の遊戯スペースと図書館が人気
階段を登って正面口に回ると、思ったより広い印象。
1階入り口はドトールコーヒーの店舗となっており、平日にも関わらず行列が出来ていました。
この日は暑くて屋外に居る状況ではありませんでしたが、春や秋なら快適に屋外で過ごすことも出来そうです。
内部は、特に『児童の遊戯スペース(LAKUNAこうえん)』と、ドトール併設の『図書館(図書カフェ)』が人気なようで、多くの利用者で溢れていました。
創造力を刺激する品揃え『図書カフェ』
個人的に面白いと感じたのは、図書カフェです。
羽咋市には『コスモアイル羽咋』内の図書館もありますが、コスモアイルは文学書~趣味、児童向けと幅広い品揃えをしているのに対し、こちらの『図書カフェ』では、どちらかと言えば”小学校高学年~高校生”を対象とした、創造力を刺激する本を多数揃えている印象です。
デザイナーや建築士、またはIT関連に興味のある子供を育てたいのかな、と感じました。
(私の母校でもある羽咋高校も「DXハイスクール」に認定されてるようですし)
私の同級生に一人、卒業後にフォトグラファーとして活動している方がおりますが、大学への進学が当たり前で、それ以外の情報も選択肢も少なかった当時、その道を選ぶのはとてつもない勇気が必要だったことでしょう。
今は多様性が認められる時代ですし、まだ見ぬ未来を創り出していく子供たちの創造力を鍛え、背中を後押ししてくれるような、そんな場所になって欲しいと思います。
(本や環境だけでなく、それらを支えてくれる人も必要ではありますが…)
ホールやeスポーツスタジオ、その他施設の料金表など
ドトールとLAKUNAこうえん、図書カフェ以外にも多くの専用ルームがありますが、見学に行ったときは使用されていませんでした。
各施設の料金表を見つけましたので、載せておきます。(2024年8月時点)
なお、利用にあたっては当日現地で申し込むことも可能なようですが、土日などは事前に予約を取っておく方が確実です。
(特に「eスポーツスタジオ」について、市内学生は特別料金で利用できるらしく、週末や夏休みなどの長期休暇中は混雑していると聞いています。外部から利用したい場合は予約を勧めます)
eスポーツスタジオの利用料金
利用時間 | 料金(個人/団体占有) |
1時間 | 300円/1,100円 |
2時間 | 600円/2,200円 |
3時間 | 900円/3,300円 |
6時間 | 1,800円/6,600円 |
1日(13時間) | 3,900円/14,300円 |
その他、機器の貸し出しなども行っているようです。
遊べるゲームの一覧
LAKUNAホールの利用料金
利用時間 | 料金(一面/全面) |
1時間 | 1,200円/3,600円 |
2時間 | 2,400円/7,200円 |
3時間 | 3,600円/10,800円 |
6時間 | 7,200円/21,600円 |
1日(13時間) | 15,600円/46,800円 |
定員は全面なら約200名、一面なら40名ほど。
マイクやミキサー、プロジェクターなどの貸し出しも行っているため、多目的に使えそうです。
各フロアの広さは下の写真くらい。一番外側のホールは抜群の景色が見えるため、ヨガや運動会など開催するには最高ですね。
キッチンスタジオの利用料金(定員26名、占有利用のみ)
利用時間 | 料金(※個人利用でも「占有」のみ) |
1時間 | 1,100円 |
2時間 | 2,200円 |
3時間 | 3,300円 |
6時間 | 6,600円 |
1日(13時間) | 14,300円 |
アートスタジオの利用料金
利用時間 | 料金(個人/団体占有) |
1時間 | 300円/1,100円 |
2時間 | 600円/2,200円 |
3時間 | 900円/3,300円 |
6時間 | 1,800円/6,600円 |
1日(13時間) | 3,900円/14,300円 |
その他、テラスとタイ焼きについて
LAKUNAはくいの4階からは、羽咋の街中を一望できるテラスに出ることが出来ます。(1階の屋外階段からもアクセス可)
上でも挙げたコスモアイル羽咋や眼下を流れる長者川などが見えます。羽咋市民としては特段感動するものはありませんが、夏~秋にかけて長者川を遡上する鮎や鮭などが見えるかもしれません。
花火大会など開催されれば良いビュースポットになりそうですが、場所的に難しそうですね。
また、『併設されている”LAKUNAぷらす”に入っているタイ焼き屋(たい夢)が美味い!』と聞いたため買ってみましたが、待ち時間が長すぎるのと、バイトの子がおしゃべりしているのが気になった一方、味については正直よく分かりませんでした。
運営企業の方は、もう少し接客指導をしっかりされた方が良いと思います。
投資に対する、長期的な回収効果は狙えるのか
以上、羽咋市の新しい交流拠点「LAKUNAはくい」について、ざっと紹介しました。
最初は地元の事業者より『地元の商店街の方々が入る商業施設になる』と聞いていたのですが、結局一店舗も入っておらず、驚きました。
この施設ですが、国と県の補助金を利用しているとはいえ、その竣工まで十数億円(市の方から聞いたところ、持ち出しは約4億円ほどとのことでした)が、さらには年間の運営費(指定管理料)として7,000~9,000万円がかかるようです。
この金額は、赤字で騒がれているコスモアイル羽咋と同等以上とのこと。
その指定管理料の財源としては「ふるさと納税」による寄附金を充てるとされていますので、直近では市民の負担額が増えることは無さそう。しかし、ふるさと納税の制度は見直しの声が叫ばれておりますので、楽観視して現状維持というワケにもいかないでしょう。
市外からの誘客を狙える商業施設ならともかく、市民利用中心の交流拠点では、どう考えても採算が合いません。市として、どのような投資回収効果を考えているのか、これからも羽咋に住む市民の一人として、注視していく施設になりそうです。
今後も変化があるようでしたら紹介していきますね。