ころがしを使って手で田植え、手順とかかる時間について

農業・自然栽培

こんにちは。となりのコンサルティングの中村です。

米作りを始めて2年目。ようやく6月初めに田んぼ1枚分の苗植えを終えることが出来ました。

「ころがし」を使っての初めての田植え、どのくらい時間がかかったのか?

今回は、田んぼを手植えする場合の流れと、かかる時間についてまとめます。

田んぼ一枚、0.65反ほどの広さで約6時間!

かかりました。ころがし×約8.5列分。

しかも、夫婦二人+中学生の娘一人、小学6年の息子一人の計4人でやってです。途中の昼休憩や、その後の電気柵の設置、ころがし等の予洗いを含めると合計8-9時間は必要ですね。(一日がかりです)

田植え直後の様子。格子状に見えるのが「ころがし」の跡です。

収穫量の目安について

今年はこの一枚と、同じくらいの広さの田んぼがもう一枚あり、合計1.3反ほど作ることになります。

栽培方法は、肥料や農薬を全く使用しない「自然栽培」で、少なく見積もって反収量2.5俵とすると玄米30kg袋で6.5袋ほど、自然栽培の平均反収量3俵で計算すると玄米30kg7.8袋ほどのお米を収穫することができます。上手に作る人なら反収量4-6俵ほどになりますので、この二枚を上手に管理することで一家一年分のお米を賄えることになりますね。

ここから水の管理や除草、中干し時期の見極めなどありますが、上手くやれば週末農業でも問題なくやれそうです。

手で田植えする場合の手順について

正直、この規模を手で田植えしたのは初めてでした。そのため勝手がわからず、色々と手間取り&無駄な労力をかけてしまいました。

これから同じように米作りを始める方は、以下の手順で田植えを進めるとストレスと無駄が少なく、楽だと思います。

1)植える5-7日前に水を最大まで張った状態で耕運機で除草する

まず田植えの予定日が決まったら、その5日~7日前には耕運機やトラクターを使って「除草(代掻き)」をしましょう。

私は畑用の耕運機(ヤンマーのFP50)に手製の鉄車輪ならぬ「木車輪」を取り付けて代掻きしています。(この広さで隙間なく耕し、3時間ほどかかりました)

畑用の耕運機はパワーが弱いのですが、水を最大まで張ることで耕耘爪の抵抗を減らし、木車輪を取り付けることで沈まず止まらずに耕すことが出来ています。水を張った状態で膝下くらいまで水に浸かる程度の深さの田んぼであれば、畑用の耕運機でも十分代掻き出来るかと思います。

また、5-7日前としているのは、除草によって水面に浮いてくる草を枯らすため。除草直後は草が生きており、根が泥に触れると根付いて復活してしまいます。除草後はしばらく水面に浮かせ、田植えまでに枯らせてしまいましょう。(最低3日は置きたいです)

なお、機械を使わずに全て手で代掻きするという場合は、この手順は飛ばして構いません。

ただし、雑草の成長具合によっては以下の手順(3)にかなりの時間がかかりますので、手で作業する場合は2,3日の余裕を持っておくことを勧めます。

2)田植え前日までに水をギリギリまで抜く

代掻きが終わって数日後、浮いた雑草が茶色くなってきた頃に水を抜きます。

上記は少し乾きすぎですが、このくらい乾いていると田植えしやすいです。

理由としては『泥を固めてしっかり植え付けするため』『植え付けの目印を見やすくするため』です。

特に後者は田植え機を使う場合も同様ですが、余計な水があると田んぼに付ける目印が見えにくく、植える際に迷ってストレスになります。

また、水が多いと苗をしっかり植え付けることが難しく、植え付けたはずが雑草のように浮いてきてしまうことも増えます。水をしっかり抜くには丸1日ほどかかりますので、前日にはしっかり抜いておきましょう。

3)田植え前日~直前に代掻きをする

水を抜いたら、代掻きで残った雑草や、再び根付いた雑草を「とんぼ」や「鍬」「足」を使って泥に塗り込みつつ、田んぼが平らになるように代掻きします。

田んぼを平らに均す、通称「とんぼ」、正式名称は「レーキ」でしょうか。

ただ、田んぼはどうしても高いところと低いところがあり、全体を均等に均すには数年かかるそうです。完全に平らにするには技術も必要ですので、とりあえず雑草が見えなくなったらOKとしましょう

4)「ころがし」や「紐と棒」を使って植える位置に目印をつける

ある程度、田んぼが平らになったら「ころがし」や「紐と棒」を使って植え付け位置に目印を付けます。目印が有ると無いでは田植えの効率が大違いなので、広ければ広いほど、この作業が重要になります。(等間隔で植える条間植えによって収穫量も増えるそうです)

我が家では「ころがし」を使いましたが、この四角が連なる六角柱を田んぼに転がし『木枠の+になる点に苗を植える』という使い方をします。

5)植える

目印を付けたら、どんどん植えます。上の転がしは1列に9か所の+があるため、2-3人が並んで9か所を植えました。田んぼ内は歩きにくく、一人で植えるにはちょっと辛いです。せめて二人で分担したいですね。

また、ころがしは意外と真っ直ぐ転がりません。すぐに曲がります。

曲がったことで出来た隙間は、全部終わった後に「捕植(ほしょく)」します。隙間が残ったままだと雑草が大きく育ってしまうので、できるだけ隙間は残さないようにしましょう。

6)水を張る

今回は翌日に大雨予報が出ており、苗の水没を避けるために浅水としました。翌日の雨で丁度深水となり、苗の先端だけ飛び出す形になっています。

最後に水を張って田植え終了です。雑草対策のためにも、最初は深めに張りましょう。

苗は完全に水没すると酸欠で枯れることもあるようですが、ほんの少しでも葉が水面に出ていれば大丈夫です。水没するか・しないか、ギリギリの水位まで張っておくと、雑草は育ちにくく稲だけ育ってくれますので、根付くまで(「活着」といいます、おおよそ田植えから1週間ほど)はギリギリ水位で、少し苗が大きくなってきたら雑草が水没する程度の深さで管理していきましょう。

ここに来て『苗がどれだけ大きく育っているか?』が重要になってきます。苗が大きければ大きいほど深水にでき、雑草対策に手がかからなくなるのです。

今回の1枚目は苗が通常よりも小さい8-10cmほどで植えることになってしまいましたが、2枚目を植えるタイミングは約2週間後となり、苗も大きくなっているかと思いますので、比べて観察してみたいと思います。

おわりに『能登で米を作りたい人集まれ!』

以上、手で田植えをする場合の手順とかかる時間について紹介しました。

田んぼの場所や形状によって時間に多少の差はあるかと思いますが、田植えの手順はほぼ変わらないかと思います。これから米作りを始めようという方は、参考にしてみて下さい。

今回、なんと四半世紀ぶりの田植えでした。

当時は何もわからず、家族から言われたように手伝っており、ただただ「面倒」だった行事ですが、自身で米作りについて調べ、『美味しい米を作ろう』と目的をもってやると楽しいものですね。

(とにかく疲れますし、子供は愚図りますが…)

普段はPCなどの家電製品に囲まれているのもあり、電磁波のデトックスという意味でも良い体験でした。鳥の声を聞きながら、土に触れていると癒されます。

ここは中山間地で人も居ないため音楽をかけながら楽しく進めましたが、まだまだ耕作放棄田は沢山あります。いずれは仲間と一緒に「お祭り」のようにイベント化し、『誰でも気軽に田植え&稲刈りに参加できるような場』にしたいものですね。

興味がある方がいましたら、声をかけて下さい。

羽咋で一緒に米を作りましょう!農具なら貸します!

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