企業におけるSEO対策の手段として、定期的な記事の作成・更新はとても重要です。
新しい情報は新たな悩みを解決することに繋がり、利用者にとって利益があると判断されるためです。
しかし、特にSEO対策として情報の発信を始めたばかりの企業においては、記事毎のテーマをいくつも洗い出すのは、とても困難ではないでしょうか?
本記事では、私が行っている記事のテーマ(ネタ)の作り方と考え方について紹介します。
記事とは、顧客のニーズや課題に沿った情報を分かりやすくまとめたもの
「記事作成の手順と進め方」でも紹介していますが、記事とは『顧客(または見込み客)が抱える悩み・問題・課題』に対して、自社(あなた)が提供できる『解消・解決に繋がる強み(技術・情報・サービス・商品など)』を紹介するもの、です。
例えば本記事を例にすると、
あなたの悩み:記事テーマの洗い出しが難しい、どのようにしてネタを作るのか知りたい
解決策:記事のテーマの作り方を紹介する
という形になっており、悩みと解決策が繋がっているからこそ、価値が生まれます。
サイトや各記事毎の評価を高めるためには、「利用者にとって価値があるもの」である必要がありますので、まず念頭において下さい。
※ちなみに、検索される情報には「すぐ売上に繋がり易いキーワード」と「売上には繋がりにくいキーワード」がありますが、前者のキーワードは競争率が高く、前者の記事ばかり作っていてもサイトとしての評価は高まりにくいです。
訪問者の利益を高めることが、回りまわってサイトの評価を高め、アクセス増加に働き、売上を増やすという流れになりますので、訪問者の利益第一と考え、気長に継続していきましょう。
方法1.「顧客ニーズ×自社の強み」組み合わせのパターンを洗い出す
記事テーマの基本は、「顧客ニーズ」×「自社の強み(技術・情報・ノウハウ)」の組み合わせです。
この組み合わせのパターンを複数洗い出し、細分化することで、それぞれ記事のテーマとしていきます。
ポイント①:出来るだけ細分化する
この際に注意する点としては、記事の作成を始めたばかりの段階では、「顧客ニーズ」と「自社の強み」をそれぞれ出来るだけ細分化して、想定する読者(ターゲット)を出来るだけ絞ることです。
例えば、顧客ニーズとして「売上高を増やす」を、自社の強みとして「営業代行」を設定・紹介した場合で考えてみましょう。
売上高は、《売上高=売上単価×売上数量》に分解することができ、売上数量はさらに《売上数量=客数×売上頻度》に、さら客数は《客数=既存顧客+新規顧客》という形に細分化することが出来ます。
営業代行についても、《サービスの詳細》や《その活用事例と実績》などに分けることが可能です。
読者が「売上単価を上げたい」のか、「新規顧客を増やして売上数量を高めたい」のか、また「営業代行サービスの詳細を知りたい」のか、「営業代行による事例を知りたい」のかは、分かりません。
ですが、それらの具体的なニーズは必ずあり、細分化されたニーズは自然と緊急性が高くなるため、「需要がある」と想定します。
つまり、
「売上単価を高める営業代行サービスの料金」
「売上単価を高める営業代行サービスの事例」
「新規顧客を増やす営業代行サービスの料金」
「新規顧客を増やす営業代行サービスの事例」
…
というように、記事のテーマの”候補”としては、最初にすべてのパターンを想定してみるのです。
それから優先順位を付けて、順番に記事を作っていきます。(優先順位の付け方は別記事にて説明します)
このようなニーズと強みの細分化は、記事の対象となる読者の絞り込み&具体性の向上が可能となり、読者にとって分かりやすい記事に仕上がります。
ポイント②:3つ目、4つ目のキーワードで条件を付ける
また、「顧客ニーズ」×「自社の強み」の2つのキーワードだけでなく、3つ目4つ目のキーワードとして「条件」を入れると、よりターゲットを絞ることが可能となり、さらに情報の具体性を高めることができます。
例としては、”不動産業”や”飲食業”などの『業種』や、”北陸”・”石川県”・”羽咋市”などの『地域』での条件付け。他にも『年齢』『性別』『職業』『家族構成』や、『情緒的な嗜好や価値観』を表す”こだわりの”・”ならでは”・”高級”・”コスパ” などの条件付けが考えられます。
《例》
・売上単価,上げる,営業代行,石川県
・新規顧客,増やす,営業代行,不動産賃貸
・ランチ,金沢,寿司,人気
・ランチ,金沢,おすすめ,イタリアン
…等々
複数のキーワードを組み合わせることで、対象となる読者は少なくなります。そのため、最終的に届けられる読者の数も多くは望めません。
しかし一方で、情報の具体性が高まることで悩みの解決力も高まりますので、自然と記事の評価は高くなり、その情報を求めている読者に届く可能性が高くなります。また現代は、特にBtoC事業や、BtoCに繋がるBtoB事業においては需要が多様化しているため、条件となるキーワードを増やすことによる、特定の読者に向けたアプローチは有効です。
SEO対策によってサイト評価を高めるというのは、このように少ない母数の読者に対する価値を積み重ね、少しずつサイト全体の価値を増やしていくことになります。
時間はかかりますが、まずはキーワードの洗い出しを行い、メモアプリなどを使い一覧に残しておきましょう。(私の場合はNotionを使ってメモを残すようにしています)
方法2.Googleからアイデアを教えてもらう
次はGoogleのツールを使用した方法を紹介します。
上記で紹介した方法では、あくまで「既存顧客」や「現在把握している見込み客」のニーズ、自社で保有している技術・ノウハウ・情報などの「強み」を元に記事のテーマを洗い出しました。
これらの内容は、自社で既に把握しているため、理解が深く、テーマとしても取り扱い易いものです。しかしその一方で、見えている市場を元に情報整理しているため、見えていない市場については取り扱うことが出来ません。(または想像することしか出来ません)
そこで、Googleのツールの出番です。
Googleでは『キーワードプランナー』という、広告出稿用のツールを提供しており、このツールを使うことで自社で把握している「ニーズ」に関連するキーワードや、「自社の強み」に関連するキーワード、さらにはその検索ボリューム(=検索されている量:多いほど需要があると判断できる)を定量的に調べることが出来ます。
「顧客ニーズ」から検索した際は『顧客が抱えているニーズに対して、どのような方法で対応しようとしているのか?その方向性』が分かり、「自社の強み」で検索した際は『強み(技術・ノウハウ・情報)がどのような分野から興味関心を持たれているのか?活かせる可能性について』が分かります。
具体的には”習うより慣れろ”で触ってみてほしいのですが、現在見えている市場だけでなく、まだ見ぬ市場における「ニーズ(+その条件)」や、自社で保有している「強み」の活用の可能性が把握できますので、記事テーマのアイデア集めとして、とても有効です。
これは《新商品・新サービスの開発》や《新規市場の開拓》にも活かせますので、ぜひ使ってみて下さい。
(使い方は、需要があれば記事にします)
『関連性の高い検索』もアイデア源に
その他、Googleでキーワードを検索した際に表示される『関連性の高い検索』という部分から市場のニーズや、自社の強みを活かすアイデアなどを探ることも可能です。
こちらは検索ボリュームの多い組み合わせから抽出されて表示されているようですが、キーワードプランナーより広い視点での提案をしてくれますので、ネタに困った際は調べてみることを勧めます。
まとめ
以上、本記事では私が行っている記事のテーマ(ネタ)の作り方と考え方について紹介しました。
まとめると、
1つ目の方法としては、「顧客ニーズ×自社の強み」組み合わせのパターンを洗い出すこと。
この際、
・ニーズと強みを出来るだけ細分化すること
・3つ目、4つ目のキーワードで条件を付けること
が重要で、これによって対象となる読者を絞り、彼らの悩みに特化した価値ある情報を提供、ページの評価を高めることができます。
2つ目の方法としては、Googleからアイデアを教えてもらうこと。
『キーワードプランナー』や『関連性の高い検索』から、ニーズや強みに関連するキーワード、視点を調べるという方法があります。
最初に「調べる」という作業が入りますが、市場調査や事業戦略の策定にも活用できますので、使ってみて下さい。